1分で読む現代語訳・徒然草

いい年してベラベラ喋るな
第113段「四十にも余りぬる人の」

 徒然草・第112段
      ◇明日は遠き国へ赴くべしと聞かん人に

  • 評論
    とにかく今すぐ修行しろ、いいから早く!という内容

  明日にも遠い国へ出立するらしい人に対して、心を落ちつけて取り組むべき仕事を依頼するようなことがあろうか。突如発生したトラブルの処理に追われたり、切実に嘆く出来事がある人は、他のことなど聞き入れる余裕はなく、他人の不幸や祝いごとにかまけることなどしない。だからと言って、それを咎める人もいないものだ。
  であるならば、年齢もずいぶん重ね、病気にもかかり、ましてや出家した人というものはこれと同じであろう。

  世間の行事のなかで避けにくいものなどありはしない。だが、行事ごとを無視するわけにいかないからといって、きっちりこなしてしまえば、やりたいことも増え、身体を酷使し、心を休める暇もなくなり、その一生は細々した雑事の義理に妨げられて無駄に終わってしまう。日が暮れて、前途はまだまだ遠い状況で、道につまづいて進むこともままならない。

背中越しのカップル

  今こそ、全ての束縛をかなぐり捨てて仏道の道に励むときである。信義など守らなくていい、礼儀など気にせずともよい。分からず屋は「狂っている」と言うかもしれぬが言わせておけばいい。正気ではない、人情が無いと思わせておけばいい。謗られても苦にせず、褒められても聞き流すのだ。

 徒然草・第113段
      ◇四十にも余りぬる人の

  • 必読評論毒舌
    耳が痛い中高年の人、多いんじゃないでしょうか

  40歳を越えても女に溺れるなんて真似は、隠れてやっているぶんには仕方なかろうが、自分からペラペラと男女のことや、他人の身の上までもふざけて喋るのは、大変似つかわしくなく、見苦しい。

  大体、聞きづらく見苦しいことといえば、老人が若い人の中に混じって面白くしようとベラベラ語っている姿。
  とるに足らない身であるのに、世間から重く見られている人を親友のように言いふらすこと。
  貧しいのにも関わらず、宴会を好み、来客をもてなそうと派手に振る舞うのもそうだ。

酒を振る舞う
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