徒然草・第197段
◇諸寺の僧のみにもあらず
へ、へえ・・そうなんだ・・としか
いろんな寺に存在する定額僧(じょうがくそう・寺に課せられた僧侶の定員)と呼ばれる僧侶だけでなく、定額の女孺(にょじゅ・雑用女官)というものが、延喜式(えんぎしき・平安時代中期に定められた法令集)に書いてある。
定額というのは、定員のある役人のことを指す専門用語だと見るべきだろう。
徒然草・第198段
◇揚名介に限らず
これも、あ・・そうなのね・・としか
揚名介(ようめいのすけ・仕事も給与もない名目だけの次官)という役職だけでなく、揚名目(ようめいのさかん・目は四等官のこと)というものもある。
政事要略(せいじようりゃく・平安時代の政務運営事例集)に載っている。
徒然草・第199段
◇横川行宣法印が申し侍りしは
- 音楽について兼好が述べるのは珍しい
横川行宣法印(よかわのぎょうせいほういん・比叡山の塔頭の一僧侶の名)がおっしゃるには、
「中国は呂の国であり、律がない。日本は律の国であり、呂がない」
ということである。
(※雅楽の音階(旋法)において「呂」とは呂旋法(りょせんぽう)、「律」とは律旋法(りつせんぽう)を指す)
徒然草・第200段
◇呉竹は葉細く
これまた使い道のないマメ知識
呉竹(くれたけ・ホテイチク。中国原産で節間が不規則に短く詰まって膨らんでいる)は葉が細く、河竹(かわたけ・マダケ。中国原産とも日本自生とも言われ、節間が長く、粘りやしなりがある)は葉が広い。
宮中の清涼殿(せいりょうでん・天皇の普段の居所)の東庭の御溝水あたりに植えていたのが河竹で、仁寿殿(じじゅうでん)の方に植えられていたのが呉竹である。
徒然草・第201段
◇退凡下乗の卒塔婆
- 同じくどうでもいいマメ知識
退凡(たいぼん・凡人立ち入り禁止)と下乗(げじょう・馬から下りよ)の卒塔婆(そとば・塔)は、外側に設置されているのが下乗、内側のものが退凡である。
(※釈迦がインドの霊鷲山(りょうじゅせん)で説法をした際、国王が山への道を拓き、その道中2箇所に塔を建てた。麓側の塔では乗物から降りてそれより先は徒歩での移動を命じ、奥側の塔より先は一般人の進入を禁じた)